浅田次郎『つばさよつばさ』旅先作家という生き方

12月からはじまるセブ島留学に備えて、ユニクロでパンツとTシャツを買った。

セブ島は年間を通して夏らしく、これから本格的な冬を迎える日本で夏用の服を買うのは変な感じがした。

帰り際、駅ナカにある立ち飲み屋に寄って、昨日買ったばかりの本を手に取った。

浅田次郎の旅エッセイ『つばさよつばさ』。

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浅田次郎『つばさよつばさ』

早速ページをめくってみると、冒頭にこんな一節があった。

気の向くまま旅に出て、山あいの鄙びた温泉宿に泊まり、湯につかりながらあれこれと物語を練り、原稿を書く。

一仕事をおえればまたふらりと旅立って、まったく無意志無計画に次の宿を探す。いわゆる旅先作家の暮らしである。

仕事にとらわれず、自分の好きな時に好きな場所に行く。

まさに旅をするように生きる。

そんな暮らしにずっと憧れていたことに、ふと気づいた。

最近もやもやして悩んでいたが、結局自由気ままに生きたいというのが本音だった。

時間や場所にとらわれない自由な暮らしがしたい。

紙と筆さえあればどこでも生きていける旅先作家のように、パソコン1台で海外を旅しながら生きる。

いつかそんな夢を実現したいという淡い思いが、いままでの自分の行動を決めてきたんじゃないか。

現実はそう甘くないのはわかっているけれど、この気持ちだけは忘れないようにしたい。

旅先作家の現実

ちなみに、旅先作家という暮らしを手に入れ、1年の3分の1を旅して暮らす浅田次郎はその実情をこう書いている。

旅に出るというより連れ出され、版元が用意したホテルに泊まる。

そこで机に向かい、旅情とはおよそ関係のない、すなわち当面締切の迫った原稿を書く。

自分の好きな場所に行けず、締め切りに終われ、旅自体を楽しむ余裕もない。

やっぱり現実はなかなかうまくいかない。

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