多くの人が、毎日ちょっとしたことで怒りを感じる。
電車で肩がぶつかってイラっとしたり、上司に文句を言われてカチッときたり。
頭ではわかっていても、うまくコントロールできないのが怒り。
そんな怒りの感情に振り回されるとこなく、幸せに生きる方法を教えるのが、枡野俊明著『怒らない 禅の作法』。
『怒らない 禅の作法』とは
『怒らない 禅の作法』は、曹洞宗の僧侶、枡野俊明による、幸せに生きるための禅の習慣を紹介したベストセラー本。
枡野氏は、禅の庭の創作活動で国際的にも評価されていて、著書に『禅、シンプル生活のすすめ』などがある。
すぐに怒る人と心が穏やかな人の違い
まずはじめに、本書ではすぐに怒る人といつも心が穏やかな人の違いを、ゴムにたとえて説明している。
すぐに怒ってしまう人は、両端をピーンと張り切ったゴムのようで、余裕がなく、ささいなことでパチンと切れる。
一方、穏やかな人の心は、しなやかに伸びたり縮んだりするゴムのようで、何事にも臨機応変に対応することができる。
怒らない人になるためには、心にしなやかさを取り戻すことが必要。
「怒らない人」になるための禅の習慣
本書のメインパートで紹介されているのが、怒らない人になるための43の禅の習慣。
いますぐに実践できる教えを、「心」「体」「生活」の3つのカテゴリーにわけて掲載している。
禅のエッセンスを学べるだけでなく、読んでいてハッとさせられる内容になっている。
詳しい習慣の中身は本書に譲るとして、個人的に深く共感した教えを3つだけ紹介。
- 頭にきたら、一呼吸置く
- 求めない
- 手をあわせて、感謝する
どれも一見当たり前のことだが、後に続く説明と合わせて読むと、心にすっと入ってくる。
後半では「ケーススタディ怒りを消し去る禅の作法」として、具体的な状況での怒りの対処法が学べる。
全編を通して、非常にタメになる教えが満載の本書。常に手元に置いて、何回でも読み直したい、そう思える本。
怒らないためには、心の中にある決めつけや執着をどれだけ手放せるか。それが大切です。
